介護の仕事を続けている人の多くは、腰痛で悩まされています。腰痛になって困る前に、腰痛を防止しましょう。
腰痛防止の介助方法は、本でも学べます。本で技術を学んで腰痛を予防しましょう。
腰痛を予防する
腰に負担を強いる無理な介助をしていれば、例え今現在腰痛が無くても、いずれ腰痛に悩まされるのは時間の問題です。
腰痛にならない・腰痛になりにくい介助技術を身に付けると、腰だけでなく腕などの負担が減ります。介護する側だけでなく、される側の負担=痛みが減ります。
腰痛にスポットを当てるだけでなく、介護技術のスキルアップもできると、結果的に腰痛予防になります。
ボディメカニクス
少し介護技術を勉強し始めると、ボディメカニクスという言葉が目に入るようになります。
人体の造りと物理学を応用し、無理なく介助ができるよう研究された技術がボディメカニクスです。
「物理学」という言葉を聞くと「難しいのでは?」と思ってしまうのが自然ですね。しかしなんとなくで良いので、頭の中に入れてから介助するのと、そうでないのとでは、やはり違いが出てきます。
上記の本の表紙を良く見て下さい。膝がくっついていますね。膝がくっつく事で、負担が減るのです。もし膝がくっついていなかったら、腕力で介助する事になります。もちろん腰にも負担がかかります。
もう一度掲載しますが、こちらの本の写真では車椅子の人を持ち上げようとしていますが、良く見ると膝がくっついていません。こちらの方が腰に負担がかかりそうな、ボディメカニクスを利用していない介助と言えるでしょう。
「できる」、「できない」はさておき、「知っている」のと「知らない」のとでは、違ってくるのです。
こちらの本の表紙も良く見てみましょう。この姿勢で重そうな箱を持ち上げています。これは腰に負担がかかりますか?それともかかりませんか?
既に腰痛持ちの人は、悲鳴を上げそうな姿勢ですね。腰の弱い方は一発でアウトです。
このような腰に負担がかかる姿勢を避ける事で、腰痛を予防できると思いませんか?
さて、この場合、どうすれば腰に負担がかからないのでしょうか?
- 脚を広げて腰をできるだけ落として、箱を持ち上げる。
- 箱を少し高い所に置いてから、箱を持ち上げる。
- 自分が低い位置に立ってから、箱を持ち上げる。
いずれもできるだけ腰を曲げて、箱を持ち上げない姿勢です。
腕力に頼らないようにしよう
介助では男性は有利な事が多いかもしれません。しかしそれは「腕力」等、「力」に頼っているからです。
「力」に頼る介助は利用者にも負担がかかります。利用者が痛がったりするだけでなく、怪我をさせてしまうかも知れません。
ボディメカニクスを理解し応用できれば、介助の負担が軽減します。
直接教えてもらう
ボディメカニクスは、本だけですと理解しがたい部分がどうしても出てきます。
動画でボディメカニクスを見てみるのも良いでしょう。
実際に練習してみないと、ボディメカニクスは身に付きません。同僚や家族に協力してもらいましょう。
最も効果的なのは、実際に講師に教えてもらう事です。
筆者は介護の資格講座でボディメカニクスを講師に教えてもらい、介護技術が飛躍的に上がりました。基本的な介護技術の他、ボディメカニクスも実務で使い、無理な介護による腰痛は経験していません。
まとめ
無理な姿勢で腕力に頼る介助は腰痛につながります。適切な介護技術を身に付けて、腰痛を予防しましょう。