もう一歩踏み込んだブラックな条件の求人票の例を挙げます。
- みなし残業がある
- 自動車通勤ができない
といった例があります。
目次
みなし残業代がある
みなし残業代は基本給が低い事業所に顕著な、給与かさ上げ手段です。月収の見た目を増やし、しかも常態化した残業をごまかします。これがある事業所は、ほぼブラックです。
もちろん例外もあります。基本給が高く、賞与もまともな数字になっている事業所です。がっつり稼ぐにはもってこいです。もしもあれば、の話ですが。
求人票に書いてあったみなし残業代の具体例です。
上記の例では毎月30時間の残業は確定という事です。「34時間」という事業所もありました。
「まさか毎月30時間も残業は無いよね?20時間で済むような月もたまにはあるよね?」なんて1ミリも思ってはいけません。
そんな可能性があるのなら、残業した分を残業代として出したほうが事業所にとって有利です。
それをしないって事は、お察しです。
本来、残業代は実際に残業したら出るものです。
みなし残業は二重、三重のブラック
あらかじめ残業代を給与に含めている、という事は二重、三重のブラック要素になります。
- 残業が毎日1時間以上あり、残業が無い日は無いけど、給料を高く見せる事でごまかしたい。
- 基本給が安いのをごまかす事で、賞与額を低くし、年収を低く抑えたい。
残業は毎日何時間もあるけど、人件費はできるだけ抑えたい。といった求人にあたっての都合の悪い事を隠したいのです。
自動車通勤ができない
自動車通勤ができない事業所は、労働者に配慮していない事業所と考えられます。ただし駅近等、交通の便が非常に良く、駐車場の確保が難しい事業所は除きます。
自動車通勤ができない、できたとしても労働者側に駐車場代の負担があるなら、慢性的な人手不足が予想されるブラック要素のある事業所です。
- 事業所としては、労働者が自動車通勤をしなければ、駐車場を確保しなくて良いメリットがあります。自動車事故関連も配慮しなくてよい。
- 労働者側からみると、自動車通勤も選択肢になければメリットは全くありません。公共交通機関や、自転車などに通勤手段が限られてしまうからです。通える職員が限られ、職員不足の可能性が高くなります。
駐車場は各自確保、という事業所もあります。理想的ではないものの、労働者に多少は配慮してくれる事業所と言えます。
しかし駐車場が用意されていても、駐車場代の自己負担が発生する所も注意して下さい。
「駐車場あり、ただし毎月◯◯円負担(3,000円程度が多い)」といった例があります。
駐車場を用意しないと人が来ない、だけどタダで提供するのは無理だから労働者に負担してもらおう、という事です。
自動車通勤にまつわるブラックの例
- 筆者の関わっていた事業所では資金繰りが厳しくなり、以前は無料だった駐車場が、月3,000円の有料となりました。
- 全国展開の某大手事業所では、以前は自動車通勤が可能でした。しかし職員が通勤時に自動車事故を起こしたのをきっかけに、全国の事業所で自動車通勤が不可になりました。その大手事業所の求人票の数は非常に多く、目立ちます。
その他のキーワード
その他のブラック企業キーワードとしていくつか挙げます。
アットホームな雰囲気です。
普段から職場の雰囲気が悪いから、時に、稀に、アットホームな雰囲気が印象的になるんです。
私が居た事業所の売り文句でした。経営者のご機嫌が悪くなって、職場全体の雰囲気が悪くなる事がたびたびありました。
いつも突然、何がきっかけでご機嫌が悪くなるか分からないので、周囲はビクビクしていました。
そんな職場でも時にはアットホームな雰囲気になる事があります。あっ、これって売り文句になるよね!という事です。
チャンスがあります。
今までチャンスをつかめなかった人ばかりだったからです。チャンスをつかむ前に辞めてしまうんです。
長期間勤務して少しずつ実績を積み上げて、チャンスをつかむ所がまっとうな所です。圧倒的な才能がある人は別ですが。
未経験可の介護職(主任候補)
最低限の資格さえあれば、未経験でも主任になれると明記されている求人票があります。
「資格は初任者研修でOK、経験は不要の主任候補」という求人票が、実際にありました。
未経験でも即、主任クラスの難しい仕事をさせないと、現場の人数が少なくてやっていけないという事です。
まとめ
ブラック求人は介護に限らず、一見応募者にとって有利な条件ばかりに見えます。
介護の仕事は焦って決める必要はありません。
求人票を良く確認して、文字の裏に隠れているブラックな事情を見抜けるようにしましょう。