認知症の家族がいつの間にか外に出てしまい、探すのが一苦労。ご近所や警察の厄介になって、休まる暇もない。「徘徊(はいかい)」の悩みは深刻です。
ついには徘徊防止目的で、まるで檻のようなベッドがSNSで拡散されました。
これが徘徊予防目的として必要な家庭があれば、納品前にやるべき事があるはずです。
— ともち(介護Man) (@kaigo_man_net) June 11, 2019
監禁という虐待を、未然に防がなければなりません。
このような拘束をしなくても、市販の物である程度対策ができます。それはワイヤレスチャイムという物です。
ワイヤレスチャイムとは
ワイヤレスチャイムは、動きをキャッチすると音や光で教えてくれる機械です。家庭用の機種は、それほど高価でもなく、設置もお手軽です。
ワイヤレスチャイムは、電池駆動・無線でお手軽に設置できます。これは徘徊センサーとして応用できます。
基本的に親機(受信機)と子機(送信機・センサー)をセットで使います。子機(送信機・センサー)で動きをキャッチして、親機(受信機)が音や光で教えてくれます。
親機・子機は壁や棚の上に設置しておきます。家庭用は軽量で設置場所を選びません。
親機と子機の間は無線接続です。コードの取り回しで悩まずに済みます。無線の到達距離は、一般的な家の広さならば大丈夫です。一戸建ての家でも、2階〜1階間で使えます。
設置例
徘徊センサーとして使う設置例を挙げます。
親機をキッチンに置き、子機を玄関に置く例です。家の外に出ようとしたときに、子機のセンサーが反応して、キッチンにある親機が音や光で教えてくれます。
ワイヤレスチャイムの紹介
ホームセンターや通販で手軽な予算で入手できるワイヤレスチャイムを紹介します。
リーベックス(Revex)製
筆者が利用者の家で良くみかける製品です。
メーカーによる紹介動画があります。2:19頃からチャイムが聴けます。
子機(送信機)と親機(受信機)が1台ずつあるセットです。この機種は多くのバリエーションがありますが、迷ったらこのセットをおすすめします。
しかしマンションのようなシンプルな間取りではなく、一戸建のように、あちこちから出入りできる場合は親機と子機が1台ずつでは対応できない事があります。
このシリーズは親機も子機も増設できます。増設だけでなく、どちらかが故障した際の交換用にもなります。
お年寄り夫婦だと、目が良く見えない・耳が遠くて音が良く聞こえない事があります。そんな方に向いた、親機のお知らせが目立つ機種もあります。
パワー系の認知症の方は、どうしても開けられない窓を無理やりこじ開けようとします。このセットは防犯目的ではありますが、窓センサーとのセットになっていて、パワー系の方の徘徊防止対策にもなります。
受信機は音や光を出すため電池の消耗が早いです。その対策としてコンセントから電源を取るための、専用ACアダプターもあります。
こちらはおまけ的な拡張子機です。玄関チャイムになります。古い家の壊れた玄関チャイムを修理せず、この子機で代用している家を良く見かけます。
リーベックス(Revex) ワイヤレス チャイム Xシリーズ 送信機 インターホン 押しボタン送信機 X10
ELPA(エルパ)製
このメーカーの機種は、事業所で使われていたのを見かけたことがあります。
紹介動画があります。参考にして下さい。3:26頃から音が聴けます。コンビニ入店音、犬の鳴き声等も入っています。
このセットの親機は音だけのお知らせです。光でのお知らせはありません。
このセットの親機は音に加え、光でのお知らせができます。
こちらは電波到達距離が長い機種のセットです。音だけのお知らせです。
やはりこのメーカーの親機も電池消耗が早いので、親機用のACアダプターもあります。
増設用の木目調のおしゃれな親機もあります。
増設用の子機です。
このメーカーにも玄関用チャイムになる子機があります。
ELPA ワイヤレスチャイム押しボタン送信器 ホワイト 21×9.5×2.5cm EWS-P30
ELPA ワイヤレスチャイム押ボタン送信器(グレー) EWS-P31
まとめ
家庭用のセンサーチャイムは、徘徊センサーとして応用できます。手頃な予算と、お手軽設置で試してみる価値はあります。
センサーチャイムでも徘徊が防げないようなケースでは、このような機器だけでは対応できません。住環境だけでなく本人の健康状態面からの、包括的な見直しが必要です。担当のケアマネや福祉用具の業者に相談しましょう。