老健(ろうけん・介護老人保健施設の略称)について、ここでは<家族・本人>の立場からメリットとデメリットをまとめます。
目次
利用者・家族にとっての老健
老健の最も特徴的な点は、施設で過ごしながらリハビリを受けられる点です。
PT(理学療法士)・OT(作業療法士)等の職員が常駐。リハビリ体制が充実しています。
特養との違い
老健とよく比較される特養との違いをおおまかにまとめます。
- リハビリ体制が充実している
特養に比べリハビリ体制が充実しています。ただし老健に入所しても、必ずしもリハビリが受けられるとは限りません。もちろんリハビリが受けられる特養もあります。 - 一生の入所はできない
終の棲家(ついのすみか)ではないです。一生の入所はできません。ある程度の期間を過ごしたら、他の施設に入所したり自宅に戻る事になります。特養は在宅復帰も目標の一つではありますが、一生入所できる施設です。
メリット
施設に泊まりながらリハビリもできるメリットが最も特徴的です。
しかし亡くなるまで入所し続ける事はできません。他の施設に早めに申し込みをしておく必要があります。
リハビリが受けられる
常勤でリハビリ職が配置されていて、リハビリが必要に応じて受けられます。
リハビリは医師の判断で必要とされた場合に受けられます。そのため心身状態によっては、入所できてもリハビリを受けられないケースもあります。
個別リハビリが受けられなくても、集団リハビリに参加ができる事があります。
個別リハビリは専門職が一対一で対応するリハビリです。集団リハビリは専門職や助手が実施する「グループ体操」です。
施設ケアマネジャーが担当する
メリット・デメリットの両方の面がありますが、ケアマネジャーは施設のケアマネジャーになります。
以前にどんなサービスを使っていても、施設に入所となれば施設のケアマネジャーに担当が変更となります。
ショートステイのサービスを利用する場合は、ケアマネージャーの変更はありません。
老健を退所し、引き続き他の介護保険サービスを利用する場合は、他のケアマネジャーに変更になります。
以前担当していたケアマネジャーに話して、再び担当してもらうよう交渉する事もできます。
デメリット
亡くなるまで入所し続けられないのが、最も特徴的なデメリットです。
長期間の入所ができない
亡くなるまでの入所はできません。短くて数か月、長くても数年しか入所できません。
退所の時期が近づいてきた場合、次の施設や居宅サービス(デイサービス等)を探したり、申し込んだりする必要があります。
地域によっては施設の都合で、実質的に亡くなるまで入所できるケースもあります。
ケアマネジャーが強制的に変更になる
老健に入所となった場合、担当ケアマネジャーは施設のケアマネジャーに変更になります。
今までお付き合いのあったケアマネジャーとはお別れになります。
退所後は施設ケアマネジャーから離れる
老健を退所したら、施設のケアマネジャーとはお別れになります。
老健はいずれ退所する施設です。老健入所前のケアマネジャーがお気に入りであれば、退所後も担当になってもらえるよう、お願いしておくとよいでしょう。
必ずしもリハビリは受けられない
必ずしもリハビリが受けられるとは限りません。
医師が必要と判断した結果、リハビリが受けられます。老健に入所してもリハビリを受けられない可能性もあると考えておいて下さい。
専門職(理学療法士や作業療法士等)によるリハビリは毎日ではなく、週2回・一回20分程度です。
リハビリを受けた分、自己負担発生
リハビリを受けた場合は、リハビリ加算が発生します。つまり自己負担分が増えます。
リハビリを受けた時の加算については、入所契約時に説明があります。よく確認しましょう。
まとめ
老健のメリット・デメリットを挙げました。
リハビリを受けられるのが主なメリットで、入所し続けられないのがデメリットです。