嚥下のプロセス
「嚥下のプロセス」というテーマで勉強していきます。「嚥下のプロセス」を分かりやすく言うと「飲み込みの過程」です。
口から入って、胃までに飲食物が行く過程が、介護福祉士の問題となると、難しい言葉がいっぱい出てきて、困ってしまうでしょう。
難しい言葉は良く使う簡単な言葉に言い換えて読んでみましょう。
嚥下のプロセスの出題例
問題文
摂食・嚥下(えんげ)のプロセスで、軟口蓋が挙上して鼻腔(びくう)と咽頭部が閉じ、次に喉頭が挙上して喉頭蓋が閉じ、食塊が食道に運ばれる時期として、正しいものを1つ選びなさい。<第30回>
1 先行期
2 準備期
3 口腔期(こうくうき)
4 咽頭期
5 食道期
読むのが難しい漢字が多いです。ひるまないで挑戦しましょう。
難しい言葉を言い換える
問題文に出てくる難しい言葉を言い換えましょう。
軟口蓋は「なんこうがい」と読みます。「蓋」はここでは「がい」と読みます。「蓋」は「ふた」とも読みます。ビン(瓶)の「フタ」の事です。
「挙上(きょじょう)」は「持ち上げる事」です。例えば「腕を挙上する」などと言います。
喉頭蓋は「こうとうがい」と読みます。ここにも「蓋」が出ますね。喉頭はどこにあるのでしょうか。本やネットで検索して、図を見ればすぐに分かります。
この問題を解くには
さて、日ごろの食事介助で「今の嚥下のプロセスは口腔期かな?」など意識している人は、まずいません。
この問題は「嚥下のプロセス」が分かっていないと、全く解けません。逆に言えば、「嚥下のプロセス」を覚えてしまうと、どんな形に問題が変わっても得点が可能です。
- 先行期(認知期)
食べ物を見て形や硬さや柔らかさを判断する - 準備期(咀嚼期・そしゃくき)
食塊(しょっかい)を作る。と参考書に書かれています。噛んで唾液と混ぜる事です - 口腔期(こうくうき・こうこうき)
舌でのどの奥に送り込む - 咽頭期(いんとうき)
食べ物をゴックンと飲み込む - 食道期
食道の動きで胃に食べ物を送る
選択肢はプロセスの順番通りに並んでいます。比較的やさしく作ってある出題です。ぜひ得点しておきたいものです。
この問題がまた出るとしたら、並び順が変わっているかもしれません。
もしも並び順が違っていても、順番に並び替えができるように勉強しておくことが必要です。
がむしゃらに覚えるのではなく、理解しながら覚えるようにすると、忘れないし勉強がスムーズに進みます。
自分なりの言葉に訳して覚えていきましょう。
例えば
- 先行期は食べ物を見て食べたいと思う
- 準備期でよだれが出て食べる準備
- 口腔期で口でムシャムシャする
- 咽頭期でゴックンする
- 食道期で食道を通る
解答
長くなりましたが、答えはどれになるでしょうか。
問題文の「喉頭が挙上して喉頭蓋が閉じ、食塊が食道に運ばれる時期」に注目します。
先行期や準備期ではなさそうです。
口でムシャムシャしていないから口腔期でもありません。
食べ物が胃には行っていないから、食道期でもありません。
ゴックンしている咽頭期になります。
解答は4の咽頭期になります。
まとめ
今回は「嚥下」だけでなく「嚥下のプロセス」について勉強しました。
「○○期」を丸暗記してしまうのも一つの方法ではあります。しかし丸暗記にはエネルギーが必要です。
介護福祉士の試験は、用語の書き取りテストではありません。言葉の意味が大体理解できていれば、問題は解けます。
落ち着いて一つずつ片づけて解いていきましょう。