老健(ろうけん・介護老人保健施設の略称)について、ここでは<働き手>の立場から、メリットとデメリットをまとめます。
働き手にとっての老健
まずは老健の概要を説明します。
老健(ろうけん)は「介護老人保健施設」の略称で、介護保険上での「施設サービス」です。
施設サービスには他に特養などがあります。
リハビリを受けて、自宅へ戻る事を目的としています。
PT(理学療法士)・OT(作業療法士)等の職員が常駐。リハビリ体制が充実しています。
建前では、病院から自宅(在宅)に戻るための施設(中間施設)です。現状は、介護状態が良くならず悪化したり、良くても現状維持で在宅復帰できず、他の老健や特養等に移るケースが非常に多いです。
メリット
老健ならではの特徴を生かして、短期間で多くの利用者に接する事ができ、多種多様な対応方法を学ぶ事ができます。
施設内で多職種連携
リハビリ職・看護師・医師が常勤で配置されていて、医療面の対応力が強いのが大きな特徴です。
それぞれの専門職から専門的な知識や技術を学ぶ事ができます。
リハビリ職からは、腰痛を予防する介助の仕方等が直接学べます。介護職はリハビリ職からアドバイスをもらいながら、集団リハビリを行う事もあります。
看護師からは処置の方法を学ぶ事ができます。看護師に触発されて、介護職を辞めて看護学校に進学する職員も珍しくありません。
背が高くてお目々ぱっちりメイクばっちりの美女で、おまけに頭も切れるし、話もわかる奴で、惜しい人材だった。
— ふくち(介護Man) (@kaigo_man_net) August 10, 2019
看護学校には一度落ちた、とは言ってたけど大したもんですよ。再度受験したんだから。強い意思と行動力もある。
あれから彼女とは会っていないが、成長した姿をいつか見てみたい。
様々なケースが学べる
老健は利用者の入れ替えが激しいです。その分、様々なケースを学ぶ事ができます。
施設での生活に慣れてきたと思ったら、退所。という事が良くあります。
筆者の印象では「半年で1/3」が入れ替わります。100名の定員なら半年で33人は入れ替わっているのです。
多くの利用者に接する事ができるため、短期間で様々な状態に接し、対応を多く学ぶ事ができます。
比較的元気な利用者は、老健退所後、施設内のデイケアサービスに通ったり、ショートステイを利用したりすることが良くあります。そんなケースでは、在宅復帰後の利用者の状態変化も学べます。
現実的には老健退所後、他の老健を渡り歩いたり、他の施設等(特養・グループホーム・有料老人ホーム等)に移るケースが圧倒的に多いです。
老健で仕事をするのに向いている人
比較的元気で活発な利用者が多いです。入所者の入れ替えも激しいです。このような特徴を押さえたうえで、老健で仕事をするのに向いている人をまとめます。
- 人前で大きな声を出す事ができる
- 体を動かすのが好き、体力がある
- 比較的若く介護福祉士の資格を持っている
- 多職種と連携し知識や技術を学びたい
必ずしも上記の条件を満たさなければ、老健で仕事ができない訳ではありません。ただ、一般的に特養に比べ体育会系寄りです。
デメリット
ほぼ、前項の「仕事をするのに向いている人」の逆になります。
利用者とじっくり関われない
最も特徴的な点は、利用者の入れ替えが激しいため、長期間にわたって利用者と関われない点です。
早くて数か月、長くても10年以内に他の施設等に行くケースが多いです。
介護の仕事の初心者には、情報量が多くてきつく感じるかもしれません。
まとめ
老健で仕事をする上でのメリット・デメリットを挙げました。
利用者の入れ替えが激しく、利用者一人ひとりにじっくり関われない代わりに、多くのケースが短期間で学べます。こういった老健ならではの特徴を理解した上で、関わってみるとよいでしょう。